パーキングエリアにいる雄鶏たち、毎日鳴きまくるんですが、一羽だけちょっと変なコがいるんです。遠くで鳴いていてもすぐにわかる、特徴的なコケコッコ!なんです。
鳴くのが下手…な訳ではありませんでした
我が家の車が停めてあるあたりを基地にしている雄鶏くん。胸元はプリマスロック、トサカと顔つきはレグホン、腰と尾羽はレッドジャングルフォウル、みたいなめちゃくちゃミックス。カラフルなルックスから勝手に’キジ太郎’と命名して、「キジー、おはよー」と声をかけたりしています。
このキジーの鳴き声が、なんだかちょっと変なんです。ニワトリといえば「コケコッコ~」ですよね。最後の「コ~」は長めで音階は上り調子で。
でも、キジーのは「コケコッコ」と止まっちゃう上に、最後の「コ」は音が下がります。日本では長鳴鶏として神話に登場するくらい、鳴き声は長い方が良さそうな気がしていました。なので、キジーは鳴くのが下手?と、大変失礼なことを考えたりしたんです。
実は下手なわけではなく、ちゃーんと理由がありました。
レッドジャングルフォウル
野生のニワトリと言われている、レッドジャングルフォウルという鳥がいます。キジの仲間で、日本ではセキショクヤケイと言うらしいです。私たちが知っているニワトリは、元々、フィリピンなど東南アジアのジャングルにいたレッドジャングルフォウルを人間が飼い慣らしたものだそうです。
昔々、ポリネシアの人々がハワイ諸島にやって来た時、Moa(レッドジャングルフォウル)を連れて来たということで、ハワイにもレッドジャングルフォウルがいます。で、そのレッドジャングルフォウルの鳴き声が、ニワトリよりも短いのです。似てるけど、違うんです。というわけで、キジーの鳴き方は野生的ということになります!下手だなんて言ってごめんね。
野生と野良の違い
野生というのは、人間とは関係なく存在する生き物たち。野良は人間が飼っていた生き物が、逃げ出したり捨てられたりしたもの。この違いはその生き物の生い立ちの違いだけではなく、脳のサイズも違うという研究結果もあるそうです。一度人間に飼いならされた生き物は、ご飯の心配をしなくていいので、聴覚や嗅覚など不要な部分は削られて野生に比べるとちょっぴり鈍いんだそうです。なのに捨てられるなんて…ひどい話ですね。
ハワイの野良ニワトリ、特にカウアイ島がニワトリだらけで有名です。家禽としてのニワトリと野生のレッドジャングルフォウルのハイブリッドだそうで、DNAを調べたりして論文も書かれています。
見た目からしてレッドジャングルフォウルっぽい野良ニワトリが多いのですが、どれくらい野生の血が入っているのかは、見た目とは関係ないとか。キジーは、どちらかというと普通のニワトリ的な外見ですが、鳴き声があんな感じなので、DNA検査をすると「あなたの父親は野良ではなく野生ですね。」なーんてことになるのかも。
ニワトリの大合唱
さて、ニワトリと言えば朝を告げるコケコッコ~という認識ですが、うちの近所のニワトリたちは夜中の12時に鳴きます。ガンガン鳴きます。一番強い雄鶏が一番最初に鳴くのだそうで、時刻はその雄鶏さんの体内時計によって決まるとか。そして一旦おさまって、2時になったらまた鳴き始めます。ここから夜明けまで鳴きまくり。朝日が昇る前のまだ暗いころ、他の鳥たちが鳴き出して、夜明け前が一番にぎやかです。明るくなり始めるとだんだん静かになってきます。理由は、朝食探しに出動するからです。
もう慣れちゃって、そんなにうるさいとは思いません。あー今日もみんな元気だなーみたいな。最近、雄鶏の数が増えてさらににぎやかなのですが、昼間は比較的静かです。だいたい序列もナワバリも決まっているので、昼間っから喧嘩するようなことはありません。時々、お散歩中の犬が近づきすぎて、威嚇の雄叫びをあげることはありますが。
そして夕方になるとそれぞれ出先から戻ってきてまた大合唱が始まります。正確に言うと、合唱ではなくて、叫び合う感じでしょうか。「ここは俺の場所!」「この雌鶏は俺の雌鶏!」みたいな…雄鶏さんは自己顕示欲が強いので、毎日毎日この雄叫びを繰り返しているようです。