モルモットとお近づきになるには

レタスはいかが? Guinea Pig

見た目からすると、おっとりした楽天家というイメージですが、実際はものすごく繊細…というかビビリです。だから、仲良くなるには意外と忍耐が必要だったりします。

”なつく”ということ

そもそも”なつく”というのは、どういう状況を指すのか?辞書で調べると、”慣れ親しむ。親近感をいだき,近づきなじむ。”と書いてありました。

ペットがなついているというと、こんな感じでしょうか。

  • 手から食べ物を食べる
  • 撫でるなど、触れることができる
  • 抱っこできる
  • 呼ぶと返事をする、寄ってくる
  • ペットの方から近づいてくる、ついてくる
  • そばで眠る

生き物と仲良くなるためには”美味しい食べ物”と”安心・安全”の二つが重要だと思います。これ、人間の子供も同じかも…

仲良くなるには貢ぎ物が必要です

”生き物は、食べ物になつく”というのが、最近の私の個人的な結論です。
パートナーに食べ物をプレゼントする鳥を見ていると、食べ物を分け合うことが信頼を得るための有効な手段なんだなぁと思います。人間も、好きな人をお茶とか食事に誘いますよね。

もっとレタス

ハルオと仲良くなるためにもやっぱり”美味しいもの”が必要…そこで、まずは当たり障りのないロメインレタスを貢物として、ハルオとの距離を縮めることにしました。最初は、ケージの外からレタスを差し入れると、奪い取って人間から隠れて食べていましたが、すぐにその場で食べるようになりました。そして、手に持ったままでも食べてくれた時はすごーく嬉しかった。
キュウリとか人参とか、美味しいものをくれる…ということは、まぁ多分大丈夫なんだろう。と、深く考えたのかどうかはわかりませんが、最初のように怯えることはなくなりました。

最初になついたのは…

我が家に来て2週間くらい経つと、だんだんとこの環境に馴染んで来たようで、ケージの中では自由にウロウロするようになりました。

そして、ハルオが一番に”呼ぶと返事をする”ようになった相手は、”冷蔵庫”。「冷蔵庫のドアが開くと美味しいものが食べられる」ということをいち早く理解して、冷蔵庫のドアの音がすると大声で鳴くようになりました。人間が「ハルオ」と呼んでも、毎回食べ物が出てくるわけではありません。冷蔵庫の方が食べ物と直結する確率がはるかに高いということです。う~ん、賢い。

スローモーションでお願いします

何かを取ろうと手をあげたり、立ち上がっただけでも大慌てですっ飛んで行っちゃいます。ほんっとにビビリなんです。だから、ハルオの側では何をするにもスローモーションで、大きな声もくしゃみもNGです。

モルモットって家畜歴が長いのに、被食者としての情報がDNAに深く刻まれているらしく、特に上から見下ろされたり掴まれたりすることに恐怖を感じるようです。
”ここは安全な場所”とか”この生き物は信頼できる”と確信してもらうには、時間がかかるんです
モルモットは、音にめちゃくちゃ敏感です。嗅覚や視覚よりも断然聴覚に頼っているようです。人間には聞こえない音も聞こえるそうです。ただし、少々大きな音でも、一度大丈夫と解ると怖がらなくなります。だからテレビの音とかは平気。でも聞き慣れない音、初めて聞く音にはボリュームに関係なくとても警戒します。

先日、お隣さんからカナヅチでトントン叩くような音が聞こえて来たんです。そしたらビューっと走ってケージの後ろに隠れて気配を消してしまいました。まぁ見えてるんですけど…本人的にはしっかり隠れたつもりっぽい。「ハルオ~、大丈夫よ~。」と声をかけると、「ホントに?」っていう顔をしながらコソコソと出て来て、その後はトントン音がしても気にしなくなりました。でも声をかけなかったら、多分、ずーっと隠れてると思います。

いい関係はゆっくりと時間をかけて作るもの

人間関係も人間動物関係も似たようなものです。友達、恋人、仕事相手、どんな関係も相手の気持ちを考えつつ時間をかけて信頼を築くわけです。
ハルオも同じ。
ただし言葉は通じないので「あなたのことを大切に思っている」ということを、態度で示すしかありません。怯えて逃げまくる状態から、ケージ越しなら手から食べ物を食べるようになり、食べ物があれば撫でられても逃げないようになりました。

でも、どこまで仲良くなれるのか?不安な気持ちもありました。ハルオはこれまで一緒に暮らした動物たちの中で、仲良くなるのに一番時間がかかった生き物です。モルモットが全てこんな感じなのかはわかりませんが、半年後には、呼べば応える仲になりました。…そばにいないと鳴くし、1時間おきに食べ物を要求するし、足を踏むし、撫でてくれとよって来る。ちょっと図々しいくらいです。